理事長のメッセージ
もやい聖友会も創設から10年を越え、「よちよち歩きのヒヨコです」とも言えなくなりました。この10年間は、地域の方々に支えられスタッフと共に『おたがいさまで笑顔がいっぱい』を基本理念として「つながる」をテーマに、地域のさまざまな活動をして参りました。具体的には、地域福祉のプラットフォームとして、居場所、やりがい、相談所のような場を設け、地域の人の顔の見える関係づくりを目標としたコミュニティの場としての機能や役割を果たしています。
2005年(平成7年)の介護保険法の改正で初めて「地域包括ケアシステム」という用語が使われ、目標の2025年が目前に迫って来ています。超高齢化が進行、少子化・多死化により人口も減少しつつある中、そして同時に、地域・家庭・職場という生活領域における支え合いの基盤も弱まってきています。老々世帯、独居世帯のみならず、地域から孤立し、必要な社会的資源につながっていない人は少なくありません。
地域には、相互扶助や家族同士での「支え合い」「おたがいさま」が、もともと存在していました。しかし、高度経済成長の中、それに代わるものとして、医療保険や介護保険をはじめとする、きめ細やかな社会保障制度などが充実してきました。しかし、その結果、高齢者、障がい者、子どもなどの対象者、分野ごとの、管理しやすい縦割りの公的支援制度、そして、「支え手」と「受け手」という関係性が生まれました。地域では、支え合いの基盤や人と人との繋がりが希薄化し、今の地域課題につながっています。
今、地域課題の解決のために、「自助」「互助」の概念や範囲、役割に新しい形が求められていると言われています。幸いにも、北九州市は、高齢先進都市として施設や公的支援制度も充実しており、また、各地域には「地域共生社会」を目指した「我が事・丸ごと」の地域づくり活動をしている地域団体やボランティア、そして様々なコミュニティが存在しています。
これからも、社会福祉法人もやい聖友会は、今ある資源を大切に施設、事業所の運営だけでなく、地域のみなさま、職員とともに、さまざまな地域活動を通して、
これからも未来の子ども達のために頑張ってまいります。